【カラフル】学校で見せたいアニメ映画【おすすめ・感想レビュー】

あらすじ

一度死んだ『"ぼく"』は、謎の少年『プラプラ』に「抽選に当たりました」と言われ、中学生の『小林真』に乗り移ってもう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。

ポイント

設定の面白さ

前提に、一度死んだ人間が人生をやり直すという『ファンタジーな設定』があり、主人公が小林真に乗り移るのは『異世界転生モノ』のような面白さがあります。

また、映像は『"ぼく"の主観視点』から始まり、それが真に乗り移るまで続きますし、心情が語られるのも"ぼく"だけなので自然と『"ぼく"視点』で観させられます。

『中学生や家庭のリアル』を外からやってきた主人公を通して描いているのが新鮮です。

リアルなデザイン

キャラクターデザイン

主要キャラとモブキャラとの差別化がされていなくて『ほぼ全員がモブキャラみたいなデザイン』なのが特徴的です。
その反面『似通ったキャラ』はいなくて、皆に同等の力が込められています。
特に街中のシーンは、それぞれの服装も違うので『人間観察』を楽しむことができますし、そんな人々の中に『主要キャラが溶け込んでいる』ことに注目して欲しいです。

美術

校舎や街並みなどの背景美術が、一度は見たことがあるような景観です。
中でも『絶妙に狭く、絶妙にごちゃついた小林家』は印象的です。
誰もが友達の家やドラマで目にしてきたであろう『現代日本の一軒家』なので、小林家のような家に住んでいなくても、目を引かれると思います。

音楽

時間の流れが通常なときはBGMが流れず、所々で時間をスキップしたダイジェストシーンではBGMが流れます。

当たり前ですが、現実世界にBGMは存在しません。
なので『リアル』を描いた本作において、BGMは『ノイズ』となってしまうため、使わないことで『現実と同じ空間』が生まれています。

逆に現実ではありえない、時間がスキップするシーンでは、BGMを流すことで『差別化』が出来ています。

”ぼく”の感情

"ぼく"が抱く怒りや悲しみは『世の中の悲しい現実』によるものです。

援助交際

後輩の『桑原ひろか』は金稼ぎのために簡単に援助交際に手を出してしまっていて、それを買う大人がいる。
その現場に"ぼく"は遭遇してしまいます。

母親の不倫

家族のために毎日ご飯を作ってくれる母親は、かつて不倫をしていました。
目の前に映るのが『すごく良い母親』だからこそ、"ぼく"はそのギャップに幻滅してしまいます。

この二つは『真が自殺する原因』となったことでもありますし、知りたくない現実を知ってしまうことのダメージって大きいですよね。